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Web考古学 探訪 W3C Mailing List ー メーリングリストアーカイブの歩き方

こんにちは。ムキムキマッチョマンになりたい人です。心も体もムキムキマッチョマン。 フロントエンド領域でのムキムキマッチョマン目指して頑張っています。 この記事は技術記事の皮を被った、IT知識トレーニングの記録です。

今回は、久しぶりのWeb考古学のシリーズです。 Web考古学の詳細は以下の記事をご覧ください。

Web考古学を通してフロントエンドへの迷いを断ち切ろうーNetscape 3 / IE4.5をMacOS 9.0.4 on macOS 14で動かすー - ムキムキマッチョマン

はじめに

古いWebの仕様やそれができた経緯を知るときに役に立つのが各標準化団体が公開しているメーリングリストアーカイブです。 標準化の流れにおいて、会議のお知らせや議事録の共有・議論、意思決定などは基本的にはメーリングリストで行われています(当時パブリックに参加でき、お互いがコミュニケーションの取れるツールがメールしかなかったから?)

ちなみに標準化や標準化の流れについて、IETFの場合については以下の資料が参考になります。 インターネットプロトコルの標準化

少し古いものですが以下のような資料もあったりします。 国際標準化活動の基礎知識と実践的手法 - NTT Docomo テクニカルジャーナル

2002年生まれの自分が、いざメーリングリストを読もうとなったときにわからなかったこと今は若干なんとなくで読めるくらいまでには来たのでそこに至るまでに必要だった知識をおさらいしていきます。

メーリングリストを読んでみよう

さて、早速ですがメーリングリストを読んでいきます。色々なものがありますがかつてHTMLの標準仕様を定めていたW3CのHTML WGのメーリングリストアーカイブを見ていきます。

https://lists.w3.org/Archives/Public/public-html/

上記のURLがアーカイブのURLですが、アクセスすると以下のような画面になります。

これだけでは分かりづらいのでまずは一覧画面から整理していきます。 画面上部、ここにはいわゆるメーリングリスト全体のメタ情報が含まれます。 ここは大きく使わないのでスルーします。

では画面下部に注目してみます。 ここには検索ボックスと3つのテーブルヘッダーがあります。それぞれperiod,re-sorted,messagesがあります。 それぞれ解説すると以下の通りです。

  • period
    • 何年何月のメールが含まれているか
  • re-sorted
    • 特定条件下でメールを読みやすく整理したもの(詳細後述)
  • messages
    • メールの件数

それぞれにリンクが含まれているので、例えば「September 2024」をクリックすると以下のような2024年9月のメールがまとめられて出てきます。

re-sorted を使いこなす

メーリングリストはメールのつながりである以上、一般的なメッセージングツールと比べてかなり情報の整理が難しいです。 そこでw3cアーカイブではメールを特定条件下でグルーピングの上整理してくれています。それがre-sortedです。 試しに返信や転送を1つのスレッド(Slackのスレッドと同じ)方式でまとめるby threadにアクセスしてみると以下のようにメールのタイトル(Subject)を起点にその後のメールがスレッドのように連なって表示されています。

同様にメールの作者でグループ・ソートするby author、同じタイトルでまとめるby subjectもありました。

個別のメールの見方

ここまででメーリングリストアーカイブ一覧の情報がなんとなくわかってきたと思います。 次は、個別のメールの見方を確認していきます。

今回は例として2007年 3月31日の「E-mail subscription and RSS」のメールを見ていきます。 以下のようにメールの本文とまたたくさんのメタ情報が書かれています。

From / Date / Toあたりまでは皆さんわかるかと思います。

さて掘り下げます。以下の部分に注目してみてみます。 大きく「This messages」と「Related Messages」が表示されています。

This messages

この項目は今表示されているメールに対するアクションや情報をまとめています。 - Message Bodyをクリックするとメール本文の位置までカーソルを移動してくれます。 - Respondをクリックすると該当するメールに返信できるようになります。

次のこちらの項目では、今表示されているメールに関係するメールへのナビゲーションが記述されています。

  • Next message | Previous messageは名前の通り、メーリングリストの関係ない1つ前と1つ後のメールを表示してくれます
  • Next in thread これがかなり大事で、同じスレッド内の次の投稿を表示してくれます(この場合は返信)
  • replies 該当メールの返信を表示してくれます

以上

というわけで実はここまででメーリングリスト、読めてしまいます。 苦手だなと感じるそこのあなたにもぜひ読んで、Web技術や知見の深掘りに役立てていだければと。